耳鼻咽喉科 アレルギー科 清水おかべクリニック 平成16年10月1日開設
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清水おかべクリニック
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妊婦と花粉症
妊婦で花粉症の症状で困っておられる方というのは、案外多いようです。もともと20〜30歳代で花粉症が発症する方が多いという事に加えて、妊娠による生理的変化、内分泌機能の変動、自律神経系の変調、ストレスなどは鼻の粘膜に対しても影響を与えるからです。鼻アレルギーのない方でも鼻づまり・鼻水が増えます(妊娠性鼻炎)し、体質の変化から妊娠を契機にアレルギー性鼻炎を発症する事もあるようです。 

妊婦ならびに授乳中の女性の花粉症の治療は、どのようにしたらよいのでしょうか。
先のページで述べたそれぞれの治療法に関して、追加情報を以下に示します。

 抗原の除去と回避
当然ながら胎児・乳児に悪影響は一切ありません。是非行いましょう。

 薬物療法
妊娠中及び出産後授乳している時の女性は、花粉症に限らず、「薬を使った治療」という物に慎重にならざるを得ないでしょう。胎児及び乳児に与える影響という物が問題になってくるからです。薬の動物実験は出来ても、人体実験までは出来ないので、主に内服薬において、どの程度胎児・乳児に影響があるのかのデータがきちんと出せないのです。
疑わしきは罰する、という考えで、この時期はなるべく薬を使わない方が無難です。

まず、妊娠の可能性はあるがはっきりしない、という方の場合。
例え妊娠したとしても着床するまでは胎児が薬の影響を受けにくいと考えられるので、最終月経初日から3週間後まで内服を続けた後、一旦内服をうち切り、生理があれば又内服治療を開始する、というのが安全でしょう。


妊娠が確定した方の場合。
妊娠4ヶ月の半ばまでは胎児の器官形成期にあたり、極力薬物の使用は避けた方が安全です。胎児の催奇形性の問題があるからです。もちろん、市販薬の服用も控えましょう。鼻づまりには、入浴を行う、鼻に蒸しタオルを当てる、そして鼻への温熱療法(専用の機械を用いて、42度位の温水からの蒸気を吸入するなどで対処するのがよいでしょう。
妊娠4ヶ月以後の場合には、胎児への毒性という問題が出てきます。やはり上記の方法で対処するのが無難ですが、薬の助けが必要な場合は、一部の局所ステロイド剤や化学伝達物質遊離抑制剤の点鼻薬・点眼薬なら全身的な副作用はほとんどないと言われています。内服薬に関しては、完全に胎児に対して安全と言い切れる薬は有りませんので、医師・薬剤師と相談した方がよいでしょう。

出産がすんで授乳中の方の場合も同様です。
薬を内服すると母乳に薬の成分が混ざってしまうため、この時期も出来れば服用を控えたほうがよいです。服用するなら医師と相談すべきでしょう。

 アレルゲン免疫療法
免疫療法そのものは胎児への催奇形性は無いと言われていますから、その面では安全です。
しかし免疫療法をきっかけに万が一ショックなどの症状が出た場合、母体が不安定になってしまう事で胎児への悪影響が出ないとも限りません。妊娠初期に免疫療法の導入を行うような事は避けるべきでしょう。
妊娠前から既に免疫療法を行っていて、既に維持の段階に来ている方ならば、妊娠を理由に治療を中断する必要はないと考えられます。
むしろ中〜重度の花粉症がありかつ近い将来妊娠の可能性がある女性は、妊娠前から積極的に免疫療法を行っておき、いざ妊娠しても他の治療を行わずに済むようにしておくのが得策と言えるかもしれません。

 手術加療
こちらも安定期に入っていさえすれば、妊婦に対する安全性は高いと思われます。
ただ、強力な麻酔薬などはやはり使わない方が良いでしょうから、入院加療が必要になるような大手術は避け、外来で実施可能な小手術に留めておくべきでしょう。


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