耳鼻咽喉科 アレルギー科 清水おかべクリニック 平成16年10月1日開設
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清水おかべクリニック
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ワクチンを巡る混乱
この所連日話題に上っている、新型インフルエンザ(H1N1)用のワクチン。
医療現場は混乱を来しております。


昨年までは、季節性インフルエンザ用ワクチンに関しては、各医療機関が医薬品の卸業者さんに思い通りのワクチン量を注文し、事情の許す限り希望通りの量が納入されて来ました。

しかし今シーズンは、季節性のワクチンも新型用のワクチンも流通規制が掛かっています。
特に新型用ワクチンの配布に関しては、完全にお役所がコントロールを行っていて、医療現場の方で決められる要素は「接種を実施する気があるか、無いか」程度しかありませんでした。ワクチンがいつ頃どの位納入されるのか、という情報は一向に現場の方には伝えられなかったのです。

10月に、医師会を通して「優先接種対象者が各医院にどの位いるのか」という予備調査はありました。そのデータを元に、静岡の場合は『静岡県厚生部』というお役所がワクチンの配分を決める、という事のようでした。

そうこうしている内に、当初の優先接種対象者に加えて小学校3年生以下の子供にも、ワクチンを早期に接種しましょう、という事になりました。新型インフルがはっきりと流行期に入ったので、政府は大々的にワクチンを振り分け多数の人に接種するという事なのだな、と医療関係者は皆受け取った筈です。

そして『ワクチンを11月16日から予約開始、24日から接種開始』という報道がマスコミよりなされました。
「へぇー、そうなの?」と、私を含め多くの医療関係者が初めて聞く情報に驚きました。今回のワクチンがらみでは、現場への通達なしにいきなりまずマスコミが報道する、という流れが多く、我々にも一般の方と同程度の情報しか回ってこないのです。相変わらず、いつ、どの位の量のワクチンが入るかの連絡はありません。医薬品の卸業者の方も、厚生部からの連絡待ちで情報を持ってはいませんでした。

『11月16日から予約開始』と言われた所で、こんな状況では予約の取りようがありません。同日朝から、お電話や直接来院でのワクチンの問い合わせが殺到しましたが、実情をお伝えして予約が行えない旨御理解頂く他ありませんでした。

そして昨日11月17日、ようやく卸業者さんから連絡がありました。
「20日に割り当て分ワクチン4mlを納入します」と。

ワクチン4ml??  8人分??

・・・全然足りない。
当初考えていた優先接種対象者の方々にも到底行き渡りません。
目が点になりました。
そして次回の入荷は12月中旬位になる、というのです。納入量は不明。

他の内科さん・小児科さんにはもっと多くワクチンが納入されているようですが、それでもやはり需要量からすると遙かに少ない量の割り当てしかないようです。

国産ワクチンの現時点での生産量や、輸入ワクチンがいつ入るかなどといった詳細な情報は、私は存じておりません。
が、それにしても、これだけ新型インフルエンザが流行っているというのにこのワクチン納入ペースでは、全くもって遅きに失している、としか言いようがありません。

加えて昨日厚生労働省は、「0歳児の保護者らと小学校高学年の接種も12月下旬に開始する」と発表しました。勿論接種は早い方がいいに決まっていますが、肝心のワクチンがこんな極少量しか出回らないのでは、「絵に描いた餅」にしか見えません。混乱を呼ぶだけだと思います。
一般の方には景気のいい話だけをしておきながら、現場に対する配慮が足りません。『お役所のスタンドプレー』と言われても仕方ないのではないでしょうか。

インフルエンザ流行は既にピーク。
最終的には国産ワクチンは約4300万人分用意され、加えて輸入ワクチンも来年入ってくるそうですが、こんなにも遅い配分展開では、来年2〜3月頃にはワクチンが数千万人分単位でダブつくのではないか。
私はそう予想しています。




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