耳鼻咽喉科 アレルギー科 清水おかべクリニック 平成16年10月1日開設
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清水おかべクリニック
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日本の医療崩壊中
この数年、日本の医療システムが次々に崩壊して来ています。
静岡市においても、「こんな大きな病院が?」と思うような所で次々と診療科が閉鎖されているのを、皆さんももうお気づきの事と思います。

何かとニュースに出てくる「医療事故」報道。マスコミは悪人を仕立て上げては、全てはその人間の個人的な悪行による物だ、というような報道の仕方をします。
こうした方が、『水戸黄門』が大好きな日本人に受けるからなんでしょうね。
そういった偏った報道の片隅で、以下のような現実を伝えるニュースも流れてはいます。


医師人口比:日本、20年に最下位へ OECD30カ国中


 人口1000人当たりの日本の医師数が、2020年には経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国中最下位に転落する恐れがあることが、近藤克則・日本福祉大教授(社会疫学)の試算で分かった。より下位の韓国など3カ国の増加率が日本を大きく上回るためだ。日本各地で深刻化する医師不足について、国は「医師の地域偏在が原因で、全体としては足りている」との姿勢だが、国際水準から懸け離れた医師数の少なさが浮かんだ。

 OECDによると、診療に従事する03年の日本の医師数(診療医師数)は人口1000人あたり2人。OECD平均の2.9人に遠く及ばず、加盟国中27位の少なさで、▽韓国1.6人▽メキシコ1.5人▽トルコ1.4人−−の3カ国を上回っているにすぎない。

 一方、診療医師数の年平均増加率(90〜03年)はメキシコ3.2%、トルコ3.5%、韓国は5.5%に達する。日本は1.26%と大幅に低く、OECD各国中でも最低レベルにとどまる。各国とも医療の高度化や高齢化に対応して医師数を伸ばしているが、日本は「医師が過剰になる」として、養成数を抑制する政策を続けているためだ。

 近藤教授は、現状の増加率が続くと仮定し、人口1000人あたりの診療医師数の変化を試算した。09年に韓国に抜かれ、19年にメキシコ、20年にはトルコにも抜かれるとの結果になった。30年には韓国6.79人、メキシコ3.51人、トルコ3.54人になるが、日本は2.80人で、20年以上たっても現在のOECD平均にすら届かない。

 近藤教授は「OECDは『医療費を低く抑えると、医療の質の低下を招き、人材確保も困難になる』と指摘している。政府は医療費を抑えるため、医師数を抑え続けてきたが、もう限界だ。少ない医師数でやれるというなら、根拠や戦略を示すべきだ」と批判している。【鯨岡秀紀】

毎日新聞 2007年5月28日 3時00分 (最終更新時間 5月28日 6時47分)



医師:現行の診療体制維持なら4万人不足 厚労省統計


 常勤医だけで現在の診療体制を維持するには、少なくとも約4万人の医師が足りないことが、厚生労働省の統計を基にした東北大研究チームの分析で分かった。全国の医療機関が報告した診療に従事する医師数の合計が、実際の医師数を約4万人上回っていた。報告は非常勤医も常勤医とカウントしており、常勤医の不足をアルバイトで診療にあたる大学病院の医師らが補っているためとみられる。日本は大幅な医師不足の状態にあることが、国の統計から裏付けられた形だ。

 分析は、医師自身が2年に1回、勤務先などを届け出る「医師・歯科医師・薬剤師調査」と、医療機関が3年に1回、勤務医数(非常勤医師も常勤医師に換算)などを報告する「医療施設調査・病院報告」を基に、診療に従事する医師数を比較した。

 その結果、02年度の調査では、全国の医療機関が報告した医師数は計29万286人だった。しかし、医師調査によると、保健所勤務など診療に従事していない人を除いた医師数は24万9574人で、4万712人の差があった。診療現場では約29万人の医師が必要にもかかわらず、約25万人しかいないことになる。

 さらに、過去の両調査を分析すると、96年にも4万7028人、90年にも4万6674人の差があり、同様の医師不足が続いていたことが分かった。

 研究チームの伊藤恒敏教授は「国は長年にわたって医師不足を放置してきたことになる。非常勤医師は当直業務に当たることが多いが、当直も常勤医でこなすのが本来の姿。日本の医師不足は深刻で、非常に不健全な状態だ」と指摘している。【五味香織】

毎日新聞 2007年6月1日 3時00分


現在の日本の医療崩壊の理由には様々な要素があります。とても一口で説明しきれる物ではありません。が、主要原因の一つに、政府による行き過ぎた医療費削減政策があるのは間違いないでしょう。

充実した医療を望むのであれば、
充分なコストを掛けなけねばなりません。


どうしても医療に掛けるお金が国に無い、公共事業の方が大事だ、という事であるのなら、「今後医療の質は落ちる一方になりますが、みんなそれで我慢しなさいよ」という事を政府は国民に納得させなければならないでしょう。



最後に、日本よりも医療崩壊先進国であるイギリスに滞在された時の現地の医療事情をつづったホームページを御紹介させて頂きます。かつての大英帝国は、低医療費政策を推し進めた結果、このような国になってしまったのです。

こんなとこだとは思わなかった!

筆者は御自身が小児科医をなさってます。それゆえ異国イギリスで娘さんが患われた時に事の重大さを察知され、対処する事が出来た訳です。もし医療に詳しくない一般家庭で同じ事があったならば、きちんとした治療は同国で受けられなかった可能性が高そうです。改めて、日本の医療がこれまでいかに良心的であったかを実感させられます。

ちなみにイギリスは、近年のあまりの医療事情の悪化に方針を転換し、医療費大幅アップとしたそうです。効果が現れるのは何年も先の事になるでしょうが、このままで行くと日本とイギリスとの医療レベルの位置関係は入れ替わる日が来そうですね。




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